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 郷土の誇りを高らかにうたって祖国再建への三百万県民の意気を鼓舞するため新憲法公布記念事業として兵庫県で募集中であった兵庫県民歌は北は北海道から南は鹿児島県まで全国各地から応募作品七百二十編に上ったので審査委員長岸田知事および委員富田砕花氏、堀県教育部長、朝倉神戸新聞社長らの手で第一次審査を行って優秀作三十四編を選んだうえ全体委員会で第二次審査をした結果、一等一編(賞金一万円)佳作十編(賞金二百円)を決定、十八日つぎのごとく発表した

 

一等 川辺郡小浜村 野口 猛(有馬郡生瀬国民学校教官)

【佳作】武庫郡御影町 島崎良一(会社員)▽大阪府池田市 上條昌平(高女教諭)▽加東郡中東条村 藤原優(農業)▽西宮市 中川信夫(無職)▽東京都杉並区 潮田いさむ(会社員)▽朝来郡生野町 岩宮佳朗(事務員)▽尼崎市 阪中すみゑ(助産婦)▽福岡県粕屋郡古賀町 花田豊(農業)▽揖保郡越部村 八木好美(国民学校教官)▽明石郡櫨谷村 井上俊澄(僧侶)

 

 一等当選作は作曲家信時潔氏の手で三月中に作曲のうえ正式県民歌として四月盛大な発表会を催す

 

 

歌詞省略(リンク先参照)

 

 

 

歌おう“郷土の誇り”

四月に盛大な発表会

 一等当選の野口猛氏(四二)は小学校卒業後独学で大阪府で検定試験をうけて本科正教員の免許状を取得、川辺郡長尾小学校代用教員を振り出しに同郡宝塚、有馬郡三田国民学校の訓導となり、現在有馬郡生瀬国民学校教官で十八年間教壇生活をつづけている人、少年時代から詩歌、絵画に趣味を持ち、雑誌その他に投稿してしばしば賞を得、かつて本社が募集した相生市歌にも三等一席に入ったことがある

 野口氏は左のごとく当選の喜びを語る(写真は野口猛氏)

 敗戦後の混乱から立ち直る力は県民一人々々の復興への意気ごみです、加重する困難に屈せず、あらゆる障害をつき抜いてかの明治、大正年代にわが兵庫県が果した偉大な業績をおもい、もう一度起ち上ろうではありませんか、貧しい私の歌が立派な曲に作られていくらかでもこの大きな仕事に役立つこととなればこの上の喜びはありません

 

(出典)神戸新聞・1947219日付2

 

※原文は旧字・旧仮名遣い。入賞者の住所は原文では番地まで記載されているが、掲載に当たっては市区町村までとしている。

 

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兵庫県民歌

教壇生活十八年 一等当選の野口氏

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